修復終了 ボヘミアンヴァイオリン
ニスのリタッチもすべて終えて演奏可能です。キズのひどかった所もちゃんと補修するとなかなかさまになり仕上がりはまずまずと思っています。
裏板は一部引っ掻きキズと溶剤を垂らしてニスが溶け剝げた所がひどかったのですがニスを補填し凹凸が見えないよう奇麗にしました。同様に横板の左手が当たる部分は汗と摩擦でニスが剝げて若干変形していたのですがこれもリタッチ済みです。
表板は左胸の部分の色ニスがほとんど残っていなかったのですが、「いい感じ」で色のグラデーションが出るように色をマッチさせ、歴代の駒の痕が目立っていたのでこれを目立たぬようにアレンジしました。また左下(手前)の一番幅の広い所はすり減ってなくなっていたので木を新たにくっつけて成形しています。
フィッティングパーツは楽器の色に合わせてローズウッド材で揃えています。顎あては重くなりすぎないよう格好よく成形。杢目が映えるように塗装もしてあります。
ペグ孔はすべて一度埋めてあけ直しています。杢目にあった木取りをして孔を埋めましたがオリジナルの部分と違和感無く自然に見えると思います。
工房にて試奏できます。