キノコ狩りにはいつ出かけるか?
ヴァイオリン業界、いや材木業界では木の生長が止まる冬、しかも木が水を吸い上げるのが少なくなる新月の時期を狙って木を切る、のが伝統的な材木の切り方である。こうすると木のシーズニング(乾燥)が早く、割れたり変形も少ない。今の材木屋は人口乾燥をして安価に歩留まりを重視するからその限りではない。楽器用の材料はいわば木でいえば大トロ、つまり一番良い部分をいちばん良い切り方で切り倒し、斧で割って木の繊維を十分に考慮した上で製材するのだ。これだけでも十分手間がかかっていると言える。
さて、本題。キノコについて。先日のBiellaでの講習会で泊まったB&Bでの旅館主の夫婦の話。「先週は月が上弦(crescente)だったからキノコが取れなかったのよ。来週はたくさん取れるわよ」とのこと。つまり、キノコは下弦(calante)の月のとき成長するのだという。何でも、10倍くらい収穫量が違うそうな(ちょっと誇張表現かも?)。
一昨日郵便局で電気代の振り込みに行ったら来年度のカレンダーが売っていた。しかもとても興味深い。各月ごとに種まき、収穫、農作業などを月齢にあわせてしるした農業カレンダーとそのシーズン野菜ごとのコラムもついている。そしたら予想通りあった、キノコについての記事。トレント地方にはにはこんなことわざがあるそうな。
Con Luna crescente cesto scadente, con Luna calante cesto abbondante
いい翻訳かどうかわからないが
月は満ちつつ籠満たず、月は欠けつつ籠担げず
って感じかな?

昔は毎週日曜日に教会に行って学の無い農民も農耕のカレンダーを聞いていた訳でこんなカレンダーが未だにあるのはすばらしい伝統だと思う。日本もこういうところから農業改革を初めてもいいと思う。