ヴァイオリン工房は不思議の部屋 ★camera delle meraviglie★

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最近の仕事より2013/07/24

お客さんからチェロのフィッティングパーツの新調を依頼されました。ツゲ材の糸巻とテールピースに交換したい、と。
ということで、高校で習った化学の実験を振り返りながらツゲの硝酸焼き染めを実施しました。

d0079867_12211970.jpg通常調達できるペグ材は塗装されているものですが、穴にあわせるため削らなくては行けません。削ると塗装が取れて白い木の地肌が見えます。なので仕上にこの削った部分に着色する必要があります。伝統的には硝酸と銅をを反応させて発生する二酸化窒素のガスを吸収させ色をつける方法がいい風合いをだします。そう、高校の化学の授業でも行なう実験を実用します!

d0079867_12214554.jpg大きめのビニール袋に銅片を入れたガラス容器と硝酸を入れたビーカーを入れます。銅片に硝酸を注ぐとすぐに発生してきます、赤褐色のNO2ガス。ガスの発生にあわせて準備したペグを袋の中に入れます。
二酸化窒素は有毒ガスなので危険です。手際よく、よく準備をして危実施しないと行けません。ウチは田舎なので屋外で実施できます。ガスは臭いので臭いが残るから都会の狭い工房じゃあ実施しづらいだろうなぁ・・・

d0079867_1222426.jpg焼き上がりはこんな感じ、どうも元は染料を使って色をつけていたみたいだが二酸化窒素ガスにいれたらペグの持ち手の所もいい感じになったような気がします。

d0079867_12424495.jpgつや出しに磨いてオイルを少し付けて仕上げるとこんな感じになりました。シマシマの杢が出ていると奇麗に模様が出てきます。現在ツゲはいい材料が無くて質のよいヨーロッパのものは高級材料です(今回のはそこそこの材です)。

ツゲは滑らかな手触りやペグとして使った場合すべり具合が良かったりするのですが、その分摩耗し易いのが短所です。現代は性格にペグと穴のテーパーを合わせられる道具と技術があるので寿命を優先して個人的には黒檀やローズウッドの方をフィッテョングパーツには使うことが多いです。
by shinop_milano | 2013-07-24 12:53 | 篠崎バイオリン工房

最近の仕事より2013/07/17

もうすぐ夏休み(学生は)、厚い日が続きますが熱中症に気をつけながらがんばりたい今日この頃です。先週は音楽会の広告をだしたままておこうかなぁ、と更新をサボったので今回ちょっとネタは多めに。

d0079867_22192354.jpg地域の音楽会を目指したつきのわ音楽サークルの第2回音楽会は無事終了しました。今回はいろいろな意味でいい経験になりました。お寺という場所に(しかも田舎の)このような目的で地域の人が集まるというのは僕が記憶している中で今までなかったので当日自分でも思ってみなかったくらい新鮮な感じがしました。演奏のお二人は奇麗なドレス姿で出演しご本尊の両脇で演奏するその姿は天女さま如来さまかという印象でした。お寺の住職からも同様の感想を聞けたので他にもそう思われたかたもいらしたでしょう。地域の知らない方とも知り合う機会になりました。


d0079867_22392210.jpg今週は湿度が高くなく陽射しの強い日が続いたので商品の材木を外に出して日干ししました。夏の陽射しは紫外線を多く含むのでシーズニングが進み木が日焼けして杢がはっきり見えるようになります。木口もしっかりシールしてあるの割れる心配はありません。短波長の光は木材の中まで「しみ込む」ようで特に温度が高い反応が進みやすく含水率が減少するようです。もっとも日が暮れて温度が下がると再び水分を吸収すると思いますが、これをくり返すことによって木材のシーズニングは進むものと思います。願わくば標高の高いところで空気の澄んだ所ならより強い紫外線で効果がでるところなんですが。


d0079867_22391840.jpg楽器製作はバロック・バイオリンの製作に取りかかりました(オーダー頂いているAさん、遅くなってごめんなさい)。こんな感じで横板を内型に張り付けていますが、いままで仕事をして来た所でそれぞれの作り方がありいろいろな方法やっています。別の形状の内型を使うこともあります。僕は「〜流」とか「〜式」というのにあまりこだわらず試してみて自分に都合がいいと思う方法を取り入れています。もちろん、大筋は外さない程度にです。クリエイティブなモノを作るには柔軟なアイデアを持ち続けることが大切だと思っているので流儀にはあまりこだわっていないつもりです。


d0079867_22395651.jpgヴァイオリンの顎当てを修正成形しました。市販のままの汎用パーツはそのままでも使えるのですが、もう少し加工した方がいいかな、と思えるものが多いです。体にうまくフィットしないからという理由だけでなく、例えば、余分な贅肉を削ったり(楽器が軽くなる)、取り付け部の安定性を改善したり、かっこいいデザインにしてみたりです。
今回は黒檀材ですが削ると机と手が真っ黒になるので後片付けがたいへんなのですが出来上がった時は達成感があります。
by shinop_milano | 2013-07-18 23:11 | 篠崎バイオリン工房

つきのわ音楽サークル 海の日の音楽会

地域の音楽会のお知らせです。

昨年12月に地域の方のコミュニケーション促進と音楽に親しめる機会を、いうことでつきのわ音楽サークルというのを立ち上げました。
この度第2回コンサートということで我が家の菩提寺である滑川町 月輪の福正寺で 住職のご好意により本堂をお借りして企画しました。演奏は同じ比企郡小川町にお住まいのフルート奏者、福島 明佳(さやか)によるフルート独奏が中心のプログラムです。

近隣、遠方からの方も大歓迎です。どうぞいらしてください。
つきのわ音楽サークルのwebサイト

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by shinop_milano | 2013-07-08 19:06 | 雑記

最近の仕事より2013/07/04

気づいたらもう7月になってしまいました。今年も下半期に突入です。
先週は週末に大阪まで講習会参加、というイベントが入っていてまたまたブログが更新できなかったのでここ2週間のお話です。

d0079867_053776.jpgヴァイオリンを作り始める時の最初の作業、裏、表板の接ぎ合わせ。材木販売を行っているのでお客さま依頼されてはセンターカットだけでなくセンタージョイントのサービスも、実は行なっています。今回はお得意様より表、裏ともに5枚づつのセンタージョイントの依頼を受けました。この作業ヴァイオリン作りを志す人は最初の難関です。カンナを上手に使えないと2枚の板がぴったり合わないんです。だからカンナの使い方に馴れるいい練習になるのですが、それがトラウマになっている人も結構多いはず。材を切る作業からだとクランプの数の都合もあって工房では1日5〜6枚実施できます。


d0079867_123881.jpg これは何?19世紀初期にフランスの物理学者サヴァールの考案したヴァイオリン?いえいえ、これはヴァイオリンを製作する時の打ち型用のベニア集成材です。集成材でも日本のホームセンターで売っている普通のベニア材とはちょっと違います。
d0079867_151290.jpg材はカバ(樺)の木で各層がとても薄く狂いに強いです。加工しやすく硬過ぎません。既にクランプ用の穴もあけられていて厚さは14mmとちょうど良い厚さで出来ています。
このタイプの集成材はイタリアでは良く見掛けるものなのですが日本では見掛けません。今回イタリアに行った時に注文して作ってもらいました。工房で販売しています。
一つ2940円です。

d0079867_1131369.jpg大阪ではフランスで楽弓製作を行なっている笹野光昭さんによる弓製作講習会があり参加してきました。スティックに使うフェルナンブコ材の選び方からスティックを仕上げるまでとフロッグの製作について製作方法、道具の仕立てなど笹野さん実施する作業をみながらたいへん勉強になりました。いままで疑問だったこともすっと解決したり、新しいアイデアを頂いたりして刺激的でした。
それで専門の材木屋に出かけさっそくフェルナンブコ材を入手しました。探しにいったら手頃で良さそうな材があったの幸いです。工房で早速木取りを考えてみました。今スティック状に切り出しても暴れ易い木なのでしばらく(3年くらい)シーズニングさせてから実施してみたいと思います。それまでに忘れていなければいいですが(笑)。
by shinop_milano | 2013-07-04 22:50 | 篠崎バイオリン工房

「ミラノ的ヴァイオリン製作の部屋」改め。埼玉に活動の場を移したヴァイオリン屋の徒然日記


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