ヴァイオリン工房は不思議の部屋 ★camera delle meraviglie★

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最近の仕事より2013/04/30

あっという間に4月も終わり新学期の雰囲気も消えつつある今日この頃ですね。
工房では4月に在庫に加えた楽器については5/21まで新学期特別価格で提供しています!新しく楽器を新調、買い替えを検討している方はどうぞよろしくお願いします。詳しくはこちら

さて、今週は新しく仕入れたものがいろいろ工房に届きました。そんなアイテムを紹介。
d0079867_12155872.jpg在庫が切れていたカーボンファイバー弓が入荷しました。機能性と価格で好評頂いています。木のデザインのラッピングが施してあるのでちょっと見た目ではカーボンファイバーとはわかりません。同じ価格帯の木の弓ならぜんぜんコストパフォーマンスが良いと自信があります。ヴァイオリン用は¥39,900(税込)、チェロ用は¥44,100(税込)です。分数ヴァイオリン用もあります。


d0079867_12212076.jpg材木販売とあわせてプロ、アマの製作さんに向けて販売しているフィッティングパーツ。デザイン、材のクオリティでたいへん良いものです。工房でも高級モデルの楽器には使用しています。フィッティングパーツと言えば材料の原産国インド製が有名ですがこれは中国製です。加工も細部までよく出来ていて、例えば、テールピースやアゴ当てはとてもスリムに出来ていてい重くありません。塗装の仕上もよく出来ているパーツを交換するだけで楽器が見違わります。


d0079867_1230166.jpg最後に中古のドイツ製量販チェロ。工房にて再調整、パーツの交換をして用意しました。2000年製ですが、前の所有者の方がよく弾いていたので鳴りがよいです。内部の作りもしっかりしています。
この楽器も期間限定セールの対象です。

by shinop_milano | 2013-04-30 22:00 | 篠崎バイオリン工房

最近の仕事より2013/04/23

今週は関西弦楽器製作者協会の展示会に参加しに大阪までいってきました。

d0079867_933490.jpg展示会の評判は年々上がっているようで今年もたくさんのお客さまがいらっしゃいました。特に今年は高い演奏技術を持っている方が増えたような気がします。あちこちで演奏の難しい曲が頻繁に聞こえてきました。
今回は新しい試みで会場コンサートに使うヴァイオリンを出展作品から演奏者が選ぶ、という企画が行われました。2日間で5回あるコンサートの中で5人の5作品が選ばれ演奏されました。
おそらくお客さんの中で全部聞いたという人はいないと思いますが、出展者は全部聞いている訳で誰がどんな聞こえ方のする楽器を作っていたか興味津々でした(おそらくみんなそうだったはずです)。残念ながら僕の楽器は演奏されなかったのですが、演奏された楽器の製作者は演奏後にインタビューを受けられる、という特典(というか、普段大勢の人前で話すことの無い職人への当て付けかも?)があり来てくれたお客さんも楽しんで頂いたのではないかと思います。


展示会の様子は関西弦楽器製作者協会のFacebookページにたくさん紹介されています。

展示会はいろいろな方とも知り合う場であり、他の人の作品や製作技術、遠隔地の情報や話題を知る機会でもあります。今回もたいへん有意義な大阪滞在になりました。
by shinop_milano | 2013-04-23 22:00 | 篠崎バイオリン工房

最近の仕事より2013/04/16

今週末は大阪で関西弦楽器製作者協会の展示会。今年はヴァオリンとヴィオラを1台づつ出展します。ヴィオラは去年も出展したグァダニーニモデル395mm、ヴァイオリンは今年製作した新しい楽器です。
展示会の詳細はこちらです。

さて、チェロのパーツについてのお仕事を紹介。
d0079867_22541379.jpgピラストロのこのパッケージは何?
正解はチェロ用のテールガット。ナイロンじゃありません、本物のガットです(色付き)。最近ではナイロンや金属ワイヤー、その他化学繊維がメジャーですがもともとは弦と同じ素材の羊やウシの腸をよった素材です。十分しなやかな素材です。今回はこれを使ってセットアップすることにしました。
ちなみにお値段、日本ではちょっと高い目です。某他社さんの方がよりしなやかでずっと安かったです。。。

d0079867_2341116.jpgまず、ガットの片方をライターであぶって留めの部分を作ります。この部分に糸を巻いてテールピースの穴にひっかかるようにします。素材はソーセージの皮と同じなのでガットをあぶるといい匂いがしてきます。

d0079867_2362119.jpg長さを調整してこんな風にテールピースに取付けます。弦を張ると伸びて安定するまで少し時間がかかります。で落ち着いた頃にテールピースの位置をチェックして必要に応じて長さを調整します。
3、40年前にセットアップしてその後まったく調整されていない楽器にはまだ生ガットでテールピースが取付けられていることがあります。状態が安定するまで時間や長さ調節が面倒な点を考えると不便なアイテムですが音のことを考えると見直す余地のある素材です。

d0079867_23134571.jpg続いてエンドピン。
今回はスチールロッドのものを利用しますが、結構な割合でロッドの収まりがよくない時が多いです。こんな感じでつけてあるコルクがゆるゆる。ブカブカにならないようにコルクを付け直してネジをゆるめてもロッドが落ちないように調整します。

d0079867_23171449.jpgこの作業に適当なコルクはこれを使います、ワインの栓。エンドピンの径にあわせて削って挿入、接着します。
普通のワインはコルクでない素材だったり使いづらい種類のコルクだったりするので発泡酒のコルク栓が差し込むのもラクで都合がいいです。

d0079867_23233254.jpgこんな感じできっちりロッドが収まるように穴を空けて終了。コルクを加工するとワインの香がしてきてちょっとウレシイ。


来週は展示会の報告になると思います。おたのしみに。
by shinop_milano | 2013-04-16 22:00 | 篠崎バイオリン工房

最近の仕事より2013/04/09

新学期の開始に備えて出張営業だったりと外出の多かった一週間でした。そんななかで工房にやってきたヴァイオリンの仕立て直しの一コマです。

d0079867_137619.jpg60年代に東ドイツ(20台の若者にはピンと来ないかも知れないが)で作られたヴァイオリン。手工量産楽器の一つだけど材木の木取りや内部の作りなどしっかりしていて、現在同様に作られている楽器とはちがったクオリティがあります(ニスが硬いのがちょっと残念)。大きな損傷はないのだけれどちょっと指板の角度が低いのが今イチな点でした。

d0079867_1374588.jpgネックの付け根から指板の角度(プロジェクション)が低いと高さが適切な駒を設計できなり十分な楽器の鳴りが期待できません。駒に掛かる弦の角度が鈍角になるので十分な圧力がかからず、また駒の振動も小さくなってしまうからです。なので十分な高さを持った駒がセットできるようにネックの取り付け角度をちょっとだけ上げます。

d0079867_138253.jpgまず、表板をネック周辺から事上半身最大幅の部分くらいまで横板から剥がします。こうすると表板とネック+横板+裏板の部分が自由になります。ネックの底と表板の間に少ーしだけ隙間ができますがここに薄い板を詰めることでネックの角度を上げることができます。

d0079867_1382880.jpg0.2mmくらいの薄い板(というかかんなの削りくずみたいなものです)を詰めるだけで駒の高さを1〜2mmくらいは上げることができます。逆に言うと楽器のネックを新たに差し込む時は特に注意して正確な角度でセットできるように気を使います。

d0079867_1381455.jpgという訳で、ネック取り付け角度のテストを繰り返して接着してここは一段落の状態。挟んだ板はほとんど見えません。あとでニスのリタッチをしてほどこしてめでたしめでたしです。


ネック角度設定についてはこの楽器が作られた頃と現在とは様相が変わっているように感じます。最近は楽器の音量、レスポンスを上げる為に昔よりもさらに強い力を駒にかける傾向がさらに強まったと思います。おそらく19世紀や20世紀初頭の人たちが弾いていたのとは違う感覚で楽器を弾いていると思います。東ドイツのシャルプラッテン・レーベルから出ていたゲヴァントハウス管やドレスデンシュターツカペレの演奏を聴くと現在のオーケストラの音とは違った雰囲気があり、今回このような楽器を手に取って楽器のセットアップの状態からいろいろ想像が膨らみました。
by shinop_milano | 2013-04-09 22:00 | 篠崎バイオリン工房

最近の仕事より2013/04/02

いよいよ4月。先週から寒い日が続いていたためまだ近所のサクラは咲き誇っています。

d0079867_1962290.jpg最近ずーっとチェロばかり扱っているような気がするけどこの一週間もチェロを調整していました。これは指板の修正を行っている所。この楽器についてはここ最近見た中で一番指板が反り過ぎでした。


d0079867_1982696.jpgどれほどかと言うとこんな感じで定規を指板の長さいっぱいに当てると3mmくらい凹んでいました。幸い指板は暑かったので上と下の端の方をけずって適切な反りの状態に調整したと言うわけです。それでも、削った黒檀のくずは結構な料になりました。
同様の仕事が続きこの一週間は黒檀まみれの一週間でした。


d0079867_19313265.jpgチェロと言えば、先週の展示会にも出展したオールドチェロを販売できる状態になっています。蛍光灯照明の写真では今ひとつ色が鮮明ではないですが赤くいい感じの古びた塗装のチェロです。近いうちにwebサイトに掲載しますがお値打ちな楽器だと思います。展示会で思いっきり弾いていかれたお客さまもいらしたので試運転も上々です。
ご興味のある方は工房までご連絡下さい。
by shinop_milano | 2013-04-02 22:00 | 篠崎バイオリン工房

「ミラノ的ヴァイオリン製作の部屋」改め。埼玉に活動の場を移したヴァイオリン屋の徒然日記


by shinop
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