ヴァイオリン工房は不思議の部屋 ★camera delle meraviglie★

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展示会の準備

九月ももうすぐ終わり。今月はあっという間に時間が経ってしまったような気がする。修理、メンテナンスの仕事が多かったのは新学期の始まりだったからか?ブログの更新があまり出来なかった・・・

今年も秋はイベントが続き、今週末は最初のイベント「サウンドメッセin大阪2012」があります。今日一日は準備に追われていました。展示会の様子などは期間中、終了後にブログで報告したいと思います。

出発前までに済ませておきたかったのは、接ぎネックのネック材の接着。久しぶりにこの作業をやったがしばらくやっていないとずいぶん慎重になりました。在庫の楽器のネック交換というケースばかりだったが、今回は初めてお客さんの楽器を預かって対応です。以前に交換してあったネックにヒビがはいってしまったという状況で実施に至りました。ネック外してみたらビックリ、虫食いの穴がはっきり。前にネックを接いだ人は虫食い材で交換したのが原因かもしれません。
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by shinop_milano | 2012-09-28 00:49 | 篠崎バイオリン工房

チェロの修理

現在取組中のチェロの修理、ちょっと面倒な代物です。


d0079867_0304641.jpg状況は裏板の接ぎが剥がれているのでこれを再接着させるというものですが、以前の持ち主か楽器屋がニカワを使わないで木工用ボンドか何かで接着してしまったと言うもの。

d0079867_0315551.jpg接ぎの部分の拡大写真がこれ。しっかりボンドの塊が間に入っています。通常表板も裏板も左右対称になるように2枚の板をニカワ接着で接(は)いで用意します。この場合は木のクセが悪かったのか接着が悪かったのか時間が経ったらあいてしまったようですが、これの対処に木工用ボンドや瞬間接着剤、エポキシ樹脂などを使ってしまうとあとがたいへんです。
d0079867_0403157.jpg接着面の間にボンドの層を作ってしまいしかも時間が経つと硬化して柔軟性が無くなり割れるか木との接合が剥がれてその次の修理が厄介になります。用意に古い接着剤を剥がせなくなるからです。これがその状態。裏板を横板から半分くらいはがし断面を奇麗に掃除します。結構時間かかります。でないと今度はニカワがくっ付かない。

d0079867_0432056.jpg古い接着剤をとりのぞいたらニカワで接着します。特使なクランプをつかって接ぎの面を合わせます。しかし接着剤除去で幾分(けっこう?)面が荒れてしまったのでなかなか完全には合わない。おまけに取り残しの接着剤は試せば試すほど見えてきてそれをまた削除。奇麗に合わせるのは結構難しい。ちゃんと合わないとまたすぐにはがれてしまう・・・

d0079867_0504514.jpgようよう接着を完了した裏板の接ぎはこれで終わらない。補強のパッチを張らねばならないがこの状況でクランプをかませながらパッチをしっかり張るのはとても難しい。ある道具と頭を使って計画を練ります。幸いなことに一番腕の長い修理用クランプをエンドピンの穴から入れて間に木(魂柱の材料)を挟むような形で補強パッチを張り合わせに成功。度重なる試行錯誤の末にうまく行った時は弦楽器修理の修理者としては感慨ひとしおです。やっとパズルが組み終わったような。

ということで、もしバイオリンやチェロの板が剥がれたら木工用ボンドや瞬間接着剤で接着するのはやめてください。あとで修理代が高くつくか楽器をダメにします。 
 楽器屋さんからのお願いでした。(^_^)
by shinop_milano | 2012-09-12 01:01 | 篠崎バイオリン工房

メンテナンス スキル・チップ

d0079867_1651654.jpg工房のwebサイトにメンテナンスについて工房で紹介している具体的な方法の紹介できるようページを作りました。まず、最初は弦の巻き方、駒の調整、汚れのケアについて用意しました。

楽器のメンテナンスや調整についてはその内容を説明するページを作ろうと以前から考えていましたがなかなか実行に移せなかった次第です。先月弦楽情報誌「サラサーテ」編集部からメンテナンス、調整のできる技術者の紹介特集を組むということで連絡があり、恐縮ながら私の工房もそのいったんに加えて頂けました。しかし紙面では具体的なことは書けないのでこれを機にと思い8月はwebサイトの「メンテナンス/修理」ページの編集に取りかかりました。

しかし、文章と画像でうまくまとめようとしてもなかなかうまくまとまらず、また、楽器メンテナンスでもいろいろな箇所が相互に関連していると、どのように説明するのがいいかとずいぶん頭をひねりました。そんな訳で取りあえず3ページだけまとめて公開しました。順次ページを追加しようかと考えています。

私の考えでは楽器のメンテナンスや調整は演奏者がご自身の判断で必要な時に、よいと思った所で実施されるのがよいとおもっています。それがご自身でできることであったらご自身で行なって頂くのがよいと思います。
弦楽器というと演奏者はいじらないもの、というイメージをもっていらっしゃる方もいますが、ご自身が毎日の生活の一部として使うものなら自分でできるケアは身につけておいた方がよいと思います。例えば、髪を手入れしたり、食事をするのに常に理容室やレストランにいきませんよね?自分の髪を洗ったり、毎日の食事を作るのはご自宅で自身で行ないますよね。自分一人では出来なかったり、特別な道具や技術が必要だったり、時間や手間を節約したいときに他の人の手を借りればいいのだと思います。

また、自分でアレコレやってみるうちに自身に都合の良いやり方が見えてくるものです。パソコンのようにいろいろなパーツを組み込んだりソフトを試してカスタマイズするのも失敗と成功をくり返しながら自分のツールになってゆくと思います(ただし、全部自己責任の上ですが・・・)。

ですので、電気系演奏者上がりの技術者としてはフランクに演奏者と情報を共有したいとおもっています。これからもご期待下さい。
by shinop_milano | 2012-09-01 23:54 | 篠崎バイオリン工房

「ミラノ的ヴァイオリン製作の部屋」改め。埼玉に活動の場を移したヴァイオリン屋の徒然日記


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