ヴァイオリン工房は不思議の部屋 ★camera delle meraviglie★

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フタをあけてみたら

前回上げたペグホール修正のヴァイオリン、表板を外してバスバー(力木)、板厚の調整をします。
表板を丁寧に剥がして「フタ」を開けました。何が飛び出すやら、パンドラの箱みたいなものかも・・・
剥がしてみた表板はこんな感じです。
d0079867_02583.jpg意外に結構作りは丁寧で「希望」が出て来たと思っていたのですが、詳細に見てみるとイヤなものを見つけてしまいました。

d0079867_01339.jpg虫食いの跡です。ブロックの周辺がやられていてこの周辺は削り取って木を移植することになります。ついでに貼ってあったラベルのメーカー(本物かどうか怪しいが)とは違うスタンプがありました。ラベルはボヘミアのメーカーのものでしたがシェーンバッハのメーカーのスタンプでした。


d0079867_0142965.jpgさてこの辺の修理。まずブロックに接着される所は平面に削いでそのまま薄く削った板を貼付けます。平面同士の面合わせなのでこれは楽な作業。
面倒なのは局面の木の移植。魂柱部のすり減りやワレの補強と同じく、傷んだところを削って「パッチ」を張り合わせます。写真のように長丸形のパッチを作りその形に合わせてくりぬきます。あわせやすい様にくりぬいたらパッチを凹面にあわせて成形。


d0079867_0283315.jpg凹面は薄皮1枚で残しているのでぴったり合わないと接着したあと表面に歪みが生じてしまう。なので、完全に密着する様に時間をかけて合わせます。接着して成形したあとはこんな感じです。反対側のブロック接着位置も同様のワームホール(虫食い孔)が走っているので同様の作業を繰り返します。


これ一つ対応するのに半日の作業。虫食い対応はとても面倒です・・・。
by shinop_milano | 2012-02-24 00:34 | 篠崎バイオリン工房

ペグホール穴埋め

今月にはいってから3/4ヴァイオリンの製作と一緒に先月仕入れた楽器の修復を行なっています。
ここ数日は修復の方をよくやっています。ということで、修復の作業をちょっと紹介です。

最初のヴァイオリンは大きくなりすぎた糸巻きの孔を空け直すべく穴埋めの作業を行なっていました。今回はちょっと手間をかけてヘ塞ぐ「栓」の杢が周辺とマッチする木取りの方法でやってみることにしました。

d0079867_23411062.jpg

まずは栓の材に似たようなメープル材の木片を探します。しめしめ、前回作ったヴィオラのネックを切り出した時の破片が使えそうだぞ。

d0079867_2349101.jpg

リーマーを使って奇麗な真円が出るまで孔をひろげます。孔に面取りがしてあったので結構孔をひろげなくてはいけなかった。孔が大きくなると面倒なんだけどなぁ・・・
d0079867_2353055.jpg

案の定、もっているペグシャープナーでは孔に詰める円錐状の栓が小さくなりすぎるのでペグシャープナーを作成。木のブロックにリーマーで穴をあけてカンナの刃をクランプで固定して自家製ペグシャープナーの出来上がり。
通常はツゲとかメープルの円錐状の棒を削って栓を作るがこれだと木頭が孔の所に見えてしまう。杢が繫がる様に見せるにはこの先っぽに栓になる材を貼付けて円錐棒を削り孔に押し込む。杢が孔周辺と揃う様に木取りをして奇麗に孔にマッチする円錐を出すのは結構難しい。
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適当な位置に栓が来るまで削ったら挿入をよ〜く「練習」してニカワで接着をします。ニカワをつけると木が膨らんで若干変形するので栓が入りづらくなる。そのことも計算して栓がどこまで来るかをシミュレーションするのだ。ちょっと角度を間違えると杢が傾いて見える様になってしまうので失敗しない様に細心の注意を計る。
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仕上がりはこんなかんじ。まあまあ杢も揃ってうまく行ったかな。今回はこれを8回繰り返します。実は反対側の孔は栓の接着時に杢が見えなくなるのでペグの太い方の孔を塞ぐ方が難しい。全部孔を埋めたら塗装をして楽器本体の準備ができたら孔を空け直します。

本体の方は表板を外してバスバーをつけ直す作業をします。それはまた、後ほど。
by shinop_milano | 2012-02-21 00:32 | 篠崎バイオリン工房

関西弦楽器製作者協会 第4回展示会

4月28日(土)29日(日)に私の所属する関西弦楽器製作者協会の展示会が大阪・大阪市中央公会堂であります。

d0079867_2103366.jpg


日時 : 2011年4月28日(土) 12:00 -18:00
          29日(日・祝) 10:00 -18:00
会場: 大阪市中央公会堂 3階 特別室
入場無料


今年はヴァイオリン、ヴァイオリン3/4サイズ、ヴィオラの3点を出展する予定でいます。
ご都合のつく方は会場に遊びにきて頂けたら嬉しく思います。

詳しくはこちらの関西弦楽器製作者協会のwebサイトをご覧下さい
by shinop_milano | 2012-02-14 02:17 | 篠崎バイオリン工房

ヴァイオリン完成ーAugusto Pollastriモデル

d0079867_23302638.jpg工房製のヴァイオリンが完成しました。

以前製作したボローニャのモダン製作家ポッラストリのモデルです。実はこのヴァイオリンは難産の子でしてそれぞれの製作行程でいろいろ問題を引き起こして完成が延び延びになっていました。塗装は12月後半から行なっていたのですが、材料の準備や寒さの影響で時間がかかってしまいました。今回はオイルニスの新しい技法で用意した赤いニスで塗装を行なったのですが結構いい感じになったと思います。

早速試奏してみました。弾いた感じは前回の同モデル作品と同じ傾向だと思いますが、ニス色、あるいはその色が違うせいかより艶っぽい感じです。少しならし運転をしてみてどう変わってくるか楽しみです。
by shinop_milano | 2012-02-03 23:45 | 篠崎バイオリン工房

ドイツ製 チェロ ローター・ゼムリンガー

webサイトでも掲載しましたが中古美品のチェロ、ローター・ゼムリンガー(2006年製)を工房在庫に加えました。目立ったキズはほとんどなく小さなキズは補修してほぼ新品同様です。駒やテールピース、エンドピンは音響を良くするよう交換しカスタマイズしています。
この楽器についての詳しくはこちらをご覧下さい。

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by shinop_milano | 2012-02-01 23:41 | 篠崎バイオリン工房

「ミラノ的ヴァイオリン製作の部屋」改め。埼玉に活動の場を移したヴァイオリン屋の徒然日記


by shinop
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