ヴァイオリン工房は不思議の部屋 ★camera delle meraviglie★

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モンテヴェルディの生家を訪ねる

昨日急にお使いを頼まれクレモナのある楽器職人のところに楽器を届けることになった。住所/連絡先と楽器を渡され届け先についた。持って行った楽器を渡して「いいラボですね〜」などとお約束の世間話を始めると「ここはクラウディオ・モンテヴェルディの生まれた家なんだよ。外には何も掛かってないけど・・・」とのこと。
ご存知の通りモンテヴェルディはバロック音楽・オペラの祖とも言うべき作曲家。クレモナの出身ではあるけどこんなところに生家があったとは!彼がいたことはクレモナの楽器が世間で使われていったきっかけの一つであることは間違いないと思う。普通だと街を代表するような有名人は壁にレリーフが張り込まれてあったりするのですがそんなもの用意されていません。
場所は現在工事中のヴァイオリン職人たちがいっぱい住んでいるこの通り、中央の赤い壁の建物です。
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by shinop_milano | 2010-03-30 20:00 | 楽器製作

自家製カステラを作る

2週間ほど前友人宅にお邪魔したとき彼の奥さんの手調理を頂いたのだがそのシメに出てきたのがカステラ。「おいしいですね」というとそれが自家製だというのに驚いた。「簡単よ、オーブンと電動泡立器と新聞紙があれば出来わ」というのでレシピを頂いて帰った。新聞紙?何でも新聞紙で容器を作ってオーブンに入れるのだそうだ。火事を起こしそうだがそうならないという。

実はお菓子作りはやったことがない。せいぜいスーパーで売っている粉を牛乳で溶いて作るパンナコッタくらい。その新聞紙の容器作りも気になってウチで実践してみた。実は今回は2回目(じつは1回目は失敗したのです)。
卵、蜂蜜、強力粉、牛乳などなど材料を買ってきてやってみました、レシピどおり。でうまくいった出来上がりはこの通り。
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この写真は焼きたて、このあとアルミホイルを剥がしひっくり返して冷まします。ちゃんと容器の底側もいい感じに焦げていました。残念ながら食べる前の写真を撮り忘れました・・・ちゃんとできた時は結構おいしく(自画自賛)、次の日にフェスタに持って行ったら奥様方に喜ばれました。

料理はニスを作るのに似ています。レシピが同じでも材料、調理器具、作る人が変われば出来上がりも違ってくるし、ほんの小さなことが大きな大きな失敗を生むこともある。前回失敗したのはかき回すところがシングルの泡立器を使ったことで、これをツインのものに代えてやったらうまく泡立ちうまく膨らんでくれた(幸いウチには泡立て器が2台あったのだ)。蜂蜜もイタリアでは違う種類の花からとった蜂蜜がいろいろあり、蜂蜜によっても味ががらっと変わってしまう(幸いウチには違う種類にの蜂蜜が2便あった)。こんな要素はニスにも言えます。だから上手なヴァイオリン作りには料理が上手な人も多い(と思う)。

余談:
僕が新聞紙を切って容器を作っているところを同居人カテリーナがみて「何作っているの?」と質問したところ「トルタ(ケーキ)。」と答えると一瞬の間のもとに「え?」となり状況を説明したところ興味深そうに行方を見守ってくれました。次の日の職場のいい話題になったようです。
by shinop_milano | 2010-03-28 20:00 | 雑記

今年のMusikmesse

今年もいろいろ都合がかさなりフランクフルトの楽器展示会「ムジークメッセ」Musikmesseにいってきました。
幸い天候がよく出発した時は曇っていたモデナですがスイスの山間部を抜けたあたりから好天に変わり気持ちのいい春日和でした(今回は友人たちと車で往復したのです)。今回は24、25日の初日と2日目、2日間だけ会場に足を運んだのですが、予想通り、聞いていた通りヴァイオリン関係のフロアには去年よりも展示ブースが少なく、また初日の来場者はとても少なかったです。2日目以降一般のビジターと思わせる人たちもかなり会場で見かけるようになって幾分来場者は増えたように見えました(参考までに会期中、最初の3日がビジネス・トレードデイ、最終日が一般ビジター・デイです)が昨年に比べて規模が小さくなったと思います。
今回の印象では、大きな発表のないこれまでの参加者は会場にブースを置かないで会場に足を運ぶか、あるいは会場の外で場所を決めて商談を進めているようでした。ですのでこれまでの出展者の一部は高い出展費用と準備の為の時間を節約してビジターとして来ている印象を受けました。
僕の方は新しくいろいろブースを見て回ったのですが、それよりも出展している同業者友人たちに久しぶりにあってあいさつしたり一緒に食事をしたりで有意義に過ごせたという感じです。
フランクフルトからの帰りはミュンヘン方面に向いミッテンヴァルトで1泊、ご当地の材木業者に寄ったりしてブレンナー峠を越えてモデナにかえったのでした。道中、Musikmesseでの会期中、モデナにかえってからといろいろなことがあったのですが個別のことは追々書くことにしてまずこんなとこまで。
by shinop_milano | 2010-03-27 20:00 | 楽器製作

人生の扉

今日偶然、竹内まりやのこの曲を聴いた。

先月のこと工房のフリニャーニが50歳の誕生日を迎えた。その日は妙に仕事が手に付かない様子で感慨深げだった。「25年、楽器職人やってきて・・・」なんてセリフを聞くから四半世紀、人生の半分をこの仕事でやってきた訳だ。感慨深かったのか、あるいは思うところのものがあったのかこの日はいつもより早く仕事を切り上げた。

50歳になるというのは積み上げてきたものを振り返る年なのかな、とまだ40にもならない僕ですが思いました。
それにしても、竹内まりやさんの曲は歌詞もメロディも声もすばらしい。ちょっと自分を振り返った時に聞くと、やばい。

竹内まりや「人生の扉」
by shinop_milano | 2010-03-22 22:46 | 雑記

神童に会う

楽器工房で仕事をしていることの特権、それはたまにすごい演奏家がやってきていい演奏を聴かせてくれることかな(付け加えておくと、決してたまにやってくるすごい「楽器」を見たりひいたりできることではないです)。
今日幸運にもすごいヤツがやってきた。13歳のギター弾き、フリニャーニ作のギターを弾き今回あらたに購入したヒストリカルなギターを取りに両親ときたのだ。彼はその楽器をとるなり楽器を弾き始めると、ギターもただモノでないいい音なのだけど、出てくる音は普通の演奏家がひく音ではない。曲は1600年代初期の作曲家フローベルガーの「ブランシュローシュ氏によせるトンボー(墓)」、オリジナルはチェンバロの曲。当時の有名なリュート奏者ブランシュローシュの死によせる哀悼曲である。何と行っても音程感、リズム感、テンポの取り方が完璧でモダンのクラシック・ギターを弾きながらさながらアーチリュートのような音をかき鳴らしていた。一応説明しておくとギターでこの初期バロックののチェンバロ曲を弾くには、調弦についても、音程の取り方についても、リズムの取り方についても、知識と技術が無ければ実現不可能である。それを13歳の少年がやってのけているのだ。それ以上に感性がすごい。僕の稚拙な文章ではうまく表現できないが、出てくる音は聞く人を引き込む魅力をもっているというところに留めておこう。
まだ内気なその少年の名はジャコモ・スザーニ。心を病むこと無く立派な大人の演奏家に成長してくれることを祈りたい。

参考までにチェンバロでのこの曲の演奏例を紹介しておこう。
ブランシュローシュ氏によせるトンボー
こんな曲の演奏を13歳の少年ができると思います?
by shinop_milano | 2010-03-18 20:00 | モデナ生活

ミラノのプラネタリウムに行く

いつの時代、どこの社会でも人は幼い頃には夜空の星を見上げてそれを取ろうと手を伸ばす。そしてやがて自分の腕が星に届くほどには長くはないのだと知る。それが大人になることだという。
———ラインハルト・フォン・ローエングラム———


実に数十年ぶりにプラネタリウムに入った。週末ミラノに行った時に一緒に昼食をとった友達とGiardini Pubbliciを歩きながらその一角にあるプラネタリウムによったら丁度上演開始の時間だったのでみんなで入ることにした。ミラノのプラネタリウムは設立者のドイツ系スイス人でいながら1930年代までミラノで科学・技術書籍の出版を行っていたウルリコ・ホエプリUlrico Hoepliの名を冠している(ミラネーゼは"H"の発音をできないのでオエプリとか読んでいるかな)。ホエプリと言えばいまでもその書店はDuomoの近くVia Hoepliにあり科学/アート系の本はよく探しにゆくので名前はよく知っていたがこんな人だとはこの記事を書きながら知った次第である。
ということで、このプラネタリウムが設置されたのは1930年とのことで当時としてはイタリアで2番目のプラネタリウムだったそうである。僕らが見た上演は(日本だと)小学生4、5年生向けの内容だったかな、地球の公転、自転とか星座の成り立ちなんかをテューターは話していたけどちょっと話に力が入って理屈っぽくなって隣にいた4歳くらいの女の子は飽きていました。でも好奇心のある10歳くらいの少年には面白かったかも。プラネタリウムではお約束だけど日が落ちて星が見え始め、夜9時の光害の無い星空が投影されドームいっぱいの星空が見えた時は目頭が熱くなりました。小学校の頃はよく天体観測の本や星や星雲の写真を見ていたりして星に興味があったものだけどしばらくそんなのからは遠ざかっていたなぁ、と振り返ってしまいました。長編アニメ/小説『銀河英雄伝説』のラインハルトのこのセリフは今だから深く共感します。

ちょっと少年の日に戻りたいミラネーゼのあなたはこちらを参考にプラネタリウムに足を運んでみてはいかが?
by shinop_milano | 2010-03-14 20:40 | ミラノ生活

「ミラノ的ヴァイオリン製作の部屋」改め。埼玉に活動の場を移したヴァイオリン屋の徒然日記


by shinop
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