ヴァイオリン工房は不思議の部屋 ★camera delle meraviglie★

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2013年 08月 20日 ( 1 )

【夏休み特別投稿】 弦楽器職人にどんな技術や知識が必要か?【その2 木工技術】

材料を木材とする楽器を作るには当然材料を加工する木工技術が必要です。つまり、木を切ったり削ったり曲げたり接着したりする技術です。

木工の基礎技術
d0079867_22481584.jpgノコギリやカンナ、ノミなどの道具は刃物です。まちがった使い方をするケガをしますし、目的にかなう仕事ができません。なので、基本的な道具の使い方を思える必要があります。どの分野の木工も同じだと思いますがバイオリン製作に最低限必要な加工技術は結構限定的です。だいたいの人は楽器を作りながら道具の使い方を覚えて徐々に上達します。そして、如何に木工が上手になるかということはおそらく生涯ずーっと続く重要なテーマです。

自分の道具を作る
d0079867_2351347.jpg楽器という音楽を表現するための道具を作るための道具作りがまず必要になります。最初は人に道具を借りて実践する場合がほとんどですがいざ自分の道具を用意する時は自分の道具を「作る」ことになります。ホームセンターで売っていない道具もあるのでそういう道具は自分でゼロから作りますが、市販の道具も自分が使い易いように「カスタマイズ」して自分が使い易いように手を入れます。楽器以外の製品でもこのようにして製作されたものは作った者の表現や出張が出てきます。

楽器製作は材料を選ぶところから
d0079867_2361347.jpgモノ作りにおいてどんな材料を選ぶかは大変重要です。上手にお寿司を握れる職人さんも良いネタが無くては美味しい寿司は出来ません。それと同じです。では、どんな材料がいい材料?僕たちは木を使いますので木材について知る必要があります。しかも、楽器にするにはどういう材木がよいのかということは家具や家を作るのとは違った観点で木材を見る必要があります。木材はどこからやってくるのか、いつどうやって伐られているのか、どのように製材されているのかを確認しながら調達するのはとても重要です。良い材木を選んだり木とはどういうものかを知ることは道具の使い方と同じく経験をくり返しながら勉強します。


塗装も重要な木工技術
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西洋の木工は最終的に表面に塗装を施すことを前提に加工してゆきます。Dすので塗装、バイオリンの場合はニス、を塗ることもたいへん重要な要素です。バイオリンには木の地肌を見せるように透明な、外観を良くして音響特性を良くすると思われる天然樹脂を用いたニスが用いられます。材料の種類はたくさんあります。そして料理のレシピのようにたくさんの調合方法があります。
現代では出来合いのニスも売られていますが、同じニスを使っても塗装する人によって違った出来映えになります(まさに料理と同じ!)。よく鳴る楽器でも見かけがよくないと手に取ってもらえないものです。


設計図の通りに楽器を作れるようになったら?
楽器を作るための工作技術を一通り覚えると、どうしたらより良い楽器が作れるか、どうしてこういうことをするのかなど楽器製作や楽器をよく機能させるための要素検討が必要になります。そうなると物理や化学など楽器の要素を掘り下げる知識が必要になってきます。楽器はいうなれば科学技術の結集です。さらにそういった技術や楽器がどのように変遷して来たかなどストーリーを素人思うと歴史や外国語の文献を読む語学力も必要になります。

というわけで次回は技術に直結する科学分野の要素について書きたいと思います。
by shinop_milano | 2013-08-20 23:17 | 篠崎バイオリン工房

「ミラノ的ヴァイオリン製作の部屋」改め。埼玉に活動の場を移したヴァイオリン屋の徒然日記


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