アカデミア・ビザンティーナとイル・ジャルディーノ・アルモニコ
先週聞いたのはO.ダントーネ率いるアカデミア・ビザンティーナ。コンマスはカリスマ的ヴァイオリン弾きモンタナ−リ。曲はJ.S.バッハの管弦楽組曲全部。開演5分前に会場に着いたら席はいっぱいで会場左翼の奥の方の席できいた。大きい教会なのでうまく響かせるのが難しく思われる会場だったがうまく演奏していて納得の内容だった。それぞれの楽器もよく鳴っていて色彩感のある演奏だった。恐れ入ったのはアンコールのいわゆる「G線上のアリア」ですでに演奏し終わって楽器の調弦はかなり狂っているにもかかわらずこの曲をやった。当然のばす音は音程の違っているのが耳障りに聞こえる。つまり曲の出だしからとても危ないわけだ。確かに彼らはおそろおそろ弾き始めた。この後どうする?と思っていたら(なぜならリピートがあるからだ)、なんとリピートの後モンタナ−リはそこにトリル、アルペッジォを入れたり、インプロヴィゼーションを入れて調弦の不安定さを誤摩化していた。これを普通のようにやってのけてしまったのにはまいった。さすがイタリア人、うまくやったな、と納得。全体的に表現力豊かでイタリア人受けもばっちり。
反して本日のG.アントニーニ率いるイル・ジャルディーノ・アルモニコ。こちらは初めて生演奏を聴くのを楽しみにしていた。会場には35分前についたが既に席はほぼ満席(入場無料だからということもある)。演奏が始まるとなんか演奏が「丸い」アンサンブルも今ひとつで楽器もそれぞれがなんかよくなっていなく、弦の音ばかりで音が混じっていない。プログラムは初期バロックから後期バロックまで彼らが最初にヒット・アルバムをだした『Viaggio musicale』のような構成になっていたがちょっと説得力に欠けるかなと思えた。音の印象は初期のレコードのサウンドと全然違う。今夜は湿度も高かったので会場の空気もよくなかったがメッツォ・ソプラノと演奏のバランスも今ひとつ。それはヴァカンス空けだからなのだろうか、それともツアーの疲れか?最後のフェッランディーニのカンタータはこの雰囲気の中ではちょっと重かった。
ということで2回のバロック団体の演奏で明らかに前者の方が好演に思えたが、ちょっとだけ吹いたアントニーニのリコーダには脱帽。あんな微妙な音程を作り出せるとは。まるで人声のような楽器さばきでした。リコーダでもここまでできるんだ。。。
なんかまとまりませんがこんなところまで。