リンシード・オイル
オイルの準備とは不純物を取り除いたり、漂白作業をしたりということです。それで実験の途中経過をご覧いたします。
現在画材店で市販している標準的なリンシードオイルは「漂白済」でこれは白土(アルカリ土類金属などの金属塩らしい)にとおしています。昔は太陽光に日ざらしにして色を取っていました。これは区別されていて「サンブリーチド」リンシードオイルと呼ばれています。下の写真はその比較です。
一番右は先日フィレンツェの画材店Zecchiで買ってきた非加熱圧搾でとった生リンシードオイルです(熱して付加重合したボイルド・リンシードではないです)。元はこんな色をしていますがこれを白土漂白したのが市販品の真ん中のボトルです(製品はルフラン&ブルジョア社のものです)。そして一番左がルフラン&ブルジョア社の漂白済
リンシードオイルをお湯で洗浄して2ヶ月くらい日ざらしにしたモノです。日ざらしにしたモノは最初に洗浄した時点でかなり透明感が増しましたが日にさらして放置しているとさらに透明感が増しだんだんサラッとした感じになってきました。フラスコの下の方にある白い層は水溶性の不純物(おそらく白土が主)です。市販のリンシードオイルはかなりの白土が溶けて残っているのがわかりました。
そんなわけで昔はこんな処理をして画材を準備しいていたわけです。今時こんな処理を自分でする画家はほとんどいないでしょうが、製作方法にこだわるヴァイオリン職人はこんなこともします。<僕はそれをマネたんですけどね・・・。