盗(や)られた・・・
仕方なくMartinoの工房に戻って事情を説明した。彼も驚いてとりあえず警察に通報しよう、ということになった。実はやられた現場の近くには駐在所みたいのがあるのだがここに行ってみようということでいっしょに行ってみた。しかし不在であった。この時間は既に閉まっていた(なんてこった)。しかたなく工房に戻り、彼もこういう経験は初めてらしくまずどこに通報すればいいか電話帳を調べ出した。まず市警察に電話したらcarabinieri(国防省警察)にということで改めて電話した。すると回線がなかなか繋がらない。彼がひらすらかけ直し繋がったと思うと途中で切れる始末である。いったい、イタリアの非常用番号って何なんだ!?とあきれる始末である。で、暫くしてやっとまともに通話出来、警官がやって来ることになった。既にこの時点で1時間は軽く経過していた。さらにパトカーが到着するまでにおよそ30分は待っただろうか。事情をはなし記録を取ると詳しくは署の方でということになったのだが僕は身分証明書(パスポート)をもっていなかった。明日改めて署に足を運ぶか、あるいは今日ウチまでいったん送って行くから証明書類をもってすぐに調書をとるかと提案された。長引かせるのもなんだし、明日も朝から工房に行かなくてはいけないので後者を選択した。
Martino工房からパトカーに乗って我が家まで20分ほど、急ぎパスポート等をとって引き返しVia Moscovaの屯所まで約30分、着いたのは21:00くらいだったろうか。中で調書を取られるが聞かれる内容や記録することが日本のそれと同じく被害の状況を説明しそれを警官が記録する。調書はパソコンでタイプし、3部プリントアウトしてそれぞれにサインをして1枚を渡された。しかし、イタリア語で犯人の風貌や状況の説明をするのってすぐに言葉が出てこないなぁ、とボキャ貧さを感じる。以上が終わるまでに待ち時間も含めて40分程、22:00過ぎである。
ここからは地下鉄にのってトラムに乗りかえて家に帰るのだが、乗り換えのトラムがなかなか来ない。既に夏休みダイヤで本数が少ないこともあるが通常でも30分以上待つこともしばしばの路線である。結局1時間近く待った(これはこの路線での待ち時間最長記録だ)。今日はとことんツイていない・・・と後悔の念がしばしばぶり返して来てイライラする感情と怒っても仕方ないという諦感が交錯し、なんか精神的疲労感だけが残るような始末である。ゔぁあああああああ!
結局自宅に着いたのは23:45頃。長い1日だった。しかし、ショックである。現金は、決して少なくないが、まだ諦めもつくけど携帯を失ったのは痛い。電話帳のバックアップはしばらく取っていなかった。ハードウェアの損失よりもソフトウェアの損失の方がダメージ大である。しかしいまさら後悔してもしょうがない。イタリアの警察もいざと言うときには正直あてにならないのがよ〜くわかった。これを読んだイタリア在住の方は同じようなケースが起こったら私のように被害に遭わないよう十分気をつけてください!