ヴァイオリン工房は不思議の部屋 ★camera delle meraviglie★

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『硫黄島からの手紙』を見る

今晩ミラノに遊びにきた友人といっしょにレストランで食事をした後、ドゥオモ広場近くで新聞を読みながらトラムを待っていると先日ネタにした『硫黄島からの手紙』(イタリアでのタイトルは直訳で『Lettere da Iwo jima』です)がなんとまだやっているのを発見。すぐそこのVia TorinoにあるシネマEliseoで22:30からの最終上演にまだまにあう!と思いちょっとほろ酔い加減ながら見て帰ることにした(>uttieさん、まだ上演しています、ごめんなさい!)
さすがにこの時間はお客も少なく200人くらいホールはぼくを含めて10人程しかいなかった。前にも書いた通り通常イタリアでの上演はイタリア語吹き替えなのだがこの映画は日本語オリジナルイタリア語字幕という上演であった。映画館のポスターにはその注意が書いてある。それはどういう意図でかはわからない。さて感想だが、まずハリウッドで製作の映画のはずなのに誤解している(される)ような日本(人)の描写が見当たらなかった。日本人スタッフが多く参加しているので事情はわかるが監督クリント・イーストウッドもなかなかやるものだと思った。もちろんぼくは戦争の体験はないので描写されている山に横穴をほって篭城する日本兵たちが本当にこのような心境、状況、行動をおこなったのであるかはわかりかねるが一日本人としてそうであったのであろうと確信出来るくらいの描写であったと思う。戦争の悲惨さ、日本軍の「玉砕」という言葉をもっての戦術の愚かさを考えていた以上に考えさせられるえいがであった。
よく日本人はサムライと言う名の下に我々のみならず外国人にもみんながみんな潔い散り際だとか、ハラキリとかが強調されるがほとんどの日本人の祖先は農民のはずである。ちょっと前まではぼくもそのサムライの精神を日本人のモラル、手本みたいに思ってもいたが、最近はあまりそう思わない。だって、農民(今でいえば一般市民)は一番のマジョリティであって少数の上層階級のもつ信条とは違っていて当たり前では、と思うからである。サムライは死ぬ為に仕事をしているが、農民は生きる為に作物を作っている。そんな農民が戦争に駆り出されてサムライの子孫(それは天皇の為に戦うひと)であるというプロパガンダの元に命を散らして行った先人たちのことを思うと哀悼の念を禁じ得ない。
by shinop_milano | 2007-03-15 22:49 | ミラノ生活

「ミラノ的ヴァイオリン製作の部屋」改め。埼玉に活動の場を移したヴァイオリン屋の徒然日記


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