最近の仕事より2013/07/24
ということで、高校で習った化学の実験を振り返りながらツゲの硝酸焼き染めを実施しました。
通常調達できるペグ材は塗装されているものですが、穴にあわせるため削らなくては行けません。削ると塗装が取れて白い木の地肌が見えます。なので仕上にこの削った部分に着色する必要があります。伝統的には硝酸と銅をを反応させて発生する二酸化窒素のガスを吸収させ色をつける方法がいい風合いをだします。そう、高校の化学の授業でも行なう実験を実用します!
大きめのビニール袋に銅片を入れたガラス容器と硝酸を入れたビーカーを入れます。銅片に硝酸を注ぐとすぐに発生してきます、赤褐色のNO2ガス。ガスの発生にあわせて準備したペグを袋の中に入れます。
二酸化窒素は有毒ガスなので危険です。手際よく、よく準備をして危実施しないと行けません。ウチは田舎なので屋外で実施できます。ガスは臭いので臭いが残るから都会の狭い工房じゃあ実施しづらいだろうなぁ・・・
焼き上がりはこんな感じ、どうも元は染料を使って色をつけていたみたいだが二酸化窒素ガスにいれたらペグの持ち手の所もいい感じになったような気がします。
つや出しに磨いてオイルを少し付けて仕上げるとこんな感じになりました。シマシマの杢が出ていると奇麗に模様が出てきます。現在ツゲはいい材料が無くて質のよいヨーロッパのものは高級材料です(今回のはそこそこの材です)。
ツゲは滑らかな手触りやペグとして使った場合すべり具合が良かったりするのですが、その分摩耗し易いのが短所です。現代は性格にペグと穴のテーパーを合わせられる道具と技術があるので寿命を優先して個人的には黒檀やローズウッドの方をフィッテョングパーツには使うことが多いです。