最近の仕事より2013/07/04
先週は週末に大阪まで講習会参加、というイベントが入っていてまたまたブログが更新できなかったのでここ2週間のお話です。
ヴァイオリンを作り始める時の最初の作業、裏、表板の接ぎ合わせ。材木販売を行っているのでお客さま依頼されてはセンターカットだけでなくセンタージョイントのサービスも、実は行なっています。今回はお得意様より表、裏ともに5枚づつのセンタージョイントの依頼を受けました。この作業ヴァイオリン作りを志す人は最初の難関です。カンナを上手に使えないと2枚の板がぴったり合わないんです。だからカンナの使い方に馴れるいい練習になるのですが、それがトラウマになっている人も結構多いはず。材を切る作業からだとクランプの数の都合もあって工房では1日5〜6枚実施できます。
これは何?19世紀初期にフランスの物理学者サヴァールの考案したヴァイオリン?いえいえ、これはヴァイオリンを製作する時の打ち型用のベニア集成材です。集成材でも日本のホームセンターで売っている普通のベニア材とはちょっと違います。
材はカバ(樺)の木で各層がとても薄く狂いに強いです。加工しやすく硬過ぎません。既にクランプ用の穴もあけられていて厚さは14mmとちょうど良い厚さで出来ています。
このタイプの集成材はイタリアでは良く見掛けるものなのですが日本では見掛けません。今回イタリアに行った時に注文して作ってもらいました。工房で販売しています。
一つ2940円です。
大阪ではフランスで楽弓製作を行なっている笹野光昭さんによる弓製作講習会があり参加してきました。スティックに使うフェルナンブコ材の選び方からスティックを仕上げるまでとフロッグの製作について製作方法、道具の仕立てなど笹野さん実施する作業をみながらたいへん勉強になりました。いままで疑問だったこともすっと解決したり、新しいアイデアを頂いたりして刺激的でした。
それで専門の材木屋に出かけさっそくフェルナンブコ材を入手しました。探しにいったら手頃で良さそうな材があったの幸いです。工房で早速木取りを考えてみました。今スティック状に切り出しても暴れ易い木なのでしばらく(3年くらい)シーズニングさせてから実施してみたいと思います。それまでに忘れていなければいいですが(笑)。