ヴィオラスペース ワークショップでプリムローズのヴィオラに会う
雑誌の広告などで今年のヴィオラスペースの内容をみたらワークショップで5弦ヴィオラのレクチャーコンサートがあるとのことで(しかも無料!)すぐに予約を入れて聴講に参加することにしたのでした。このイベントに参加するのは久しぶりなので、しかも現在の会場は母校のウラのホールということもあるたいへん懐かしく四ッ谷の紀尾井ホールに行ってきました。
会場に着いて、ホールに入ろうとするとロビーにガラスケースに入った楽器が2台置いてある。ただならぬ楽器かと思って習性的に楽器を眺める。脇には外人が座っている。ふむふむ、何処かで見たことがあるようなヴィオラだ・・・ケースの下にあった名札を見てビックリ。なんと、ウィリアム・プリムローズが使っていたヴィオラだ!!
で、なんでこれがここにあるかというと楽器オークションハウスのTarisoが7月にあるプライベートオークションの下見としてもってきていたのでした。そんな話は知らなかったなぁ。
ちなみにその隣にあったのはバイオリンで同じグァルネリでもより有名な「デル・ジェズ」でした。こちらは現在Tarisioのwebサイトでも見られる”Folinari"というあだ名の6月に競売にかけられる一品でした。
国際的なコンクールの審査会場なのでこのような楽器が会場にあっても不思議ではないのですが、この展開は読めていませんでした。5弦ヴィオラ以上におもわぬ出会いがあり感動です。
しかもこの楽器は僕がモデルに使っている同じアンドレア・グァルネリのConte Vitaleヴィオラとまったく同じモデルでありそれがすぐに見て取れます。
軽い興奮を覚えながら、脇の外人に話しかけ自己紹介して話し弾むと「あとで楽器みてみる?」と言ってくれたので「是非!」と返事をさせてもらいました。やった〜。久しぶりにいい経験をしました。しかし、この楽器を手に取ってみられたのはヴィオラファンとしてとても嬉しい!
どうも、コンクールの開催中はこの楽器たちは紀尾井ホールに展示されるようです。ヴィオラファンや楽器ファンは一見の価値ありです。こちらは会場で配られていたチラシのコピーです。
ちなみに本命だった5弦ヴィオラはC線下にF線を加えたものでシューベルトのアルペジョーネ・ソナタを弾くようにと作られたものでした(この場合はチューニングを半音下げてEで調弦)。楽器の構造とアイデアはなるほどという感じでしたが弾きこなすには難しいそうな感じが見て取れました。
それより、アルペジョーネ・ソナタのアプローチの仕方はたいへん勉強になりました。それ以外にもヴィオラと言う楽器にどのようなことが要求されるのか、ということが今井信子さんや川崎雅夫さんのマスタークラスを聞いても良くわかりました。自分の中で作るヴィオラに対する考えを修正しなくてはと思わされた1日でした。