ペグホール穴埋め
ここ数日は修復の方をよくやっています。ということで、修復の作業をちょっと紹介です。
最初のヴァイオリンは大きくなりすぎた糸巻きの孔を空け直すべく穴埋めの作業を行なっていました。今回はちょっと手間をかけてヘ塞ぐ「栓」の杢が周辺とマッチする木取りの方法でやってみることにしました。
まずは栓の材に似たようなメープル材の木片を探します。しめしめ、前回作ったヴィオラのネックを切り出した時の破片が使えそうだぞ。
リーマーを使って奇麗な真円が出るまで孔をひろげます。孔に面取りがしてあったので結構孔をひろげなくてはいけなかった。孔が大きくなると面倒なんだけどなぁ・・・
案の定、もっているペグシャープナーでは孔に詰める円錐状の栓が小さくなりすぎるのでペグシャープナーを作成。木のブロックにリーマーで穴をあけてカンナの刃をクランプで固定して自家製ペグシャープナーの出来上がり。
通常はツゲとかメープルの円錐状の棒を削って栓を作るがこれだと木頭が孔の所に見えてしまう。杢が繫がる様に見せるにはこの先っぽに栓になる材を貼付けて円錐棒を削り孔に押し込む。杢が孔周辺と揃う様に木取りをして奇麗に孔にマッチする円錐を出すのは結構難しい。
適当な位置に栓が来るまで削ったら挿入をよ〜く「練習」してニカワで接着をします。ニカワをつけると木が膨らんで若干変形するので栓が入りづらくなる。そのことも計算して栓がどこまで来るかをシミュレーションするのだ。ちょっと角度を間違えると杢が傾いて見える様になってしまうので失敗しない様に細心の注意を計る。
仕上がりはこんなかんじ。まあまあ杢も揃ってうまく行ったかな。今回はこれを8回繰り返します。実は反対側の孔は栓の接着時に杢が見えなくなるのでペグの太い方の孔を塞ぐ方が難しい。全部孔を埋めたら塗装をして楽器本体の準備ができたら孔を空け直します。
本体の方は表板を外してバスバーをつけ直す作業をします。それはまた、後ほど。