『ビューティフル・ドリーマー』
というようなセリフがアニメ映画『うる星やつら 2 ビューティフル・ドリーマー』のセリフがあったのを記憶している。人の夢を現実に構築する妖怪、夢邪鬼(むじゃき)が主人公たちをその作り上げた世界に引き込んでいるところのシーンで車の中で諸星あたるが面堂にいったセリフだ。
昨日は予定停電で自宅も工房も18:30〜22:00ちょっと前まで電気が消えた。早めの夕食直後に電気が消えた。その後は懐中電灯、ろうそくを使って部屋を照らしたが、同居の両親はすることも無くそうそうに床についた。僕はろうそくの明かりで本を読みはじめた。電気に比べたら全然くらいけど目が慣れてくると字は読める。しかも、目に優しい。ベートーヴェンが演奏会を企画するのに使うろうそくの注文書なんかが残っているとかきいたけどそんな時代もあったのだなぁ、と思いを馳せる。
しばらくして、寒いよるだったけど犬たちを連れて散歩に出た。街灯も消え、駅も消灯、電車も来ない、コンビニも暗い。明るいものは道路を通っていく車と何件かのお宅が蓄電式の常夜灯と、十三夜の月だけだ。月の明かりだけでもずいぶん明るい。なるほど月明かりというのは生活の一部だったのだ、また思いを馳せる。
そしてこのセリフが思い浮かんだ。夜の街、といっても埼玉の田舎の簡素な住宅地だけど、がこんなに静かでいつもと違った世界になるのかな、と思えたのです。それも非日常がもたらした錯覚かもしれないけど・・・
その反面、被災地は全く別の状態で悪夢が現実になってしまった。願わくばこの現実が夢邪鬼の作り上げた世界のようにどこかで崩れ落ちてくれればいいのに・・・
このアニメは押井守の監督で今みても色あせていません。素晴らしいファンタジーの世界でありデカルト哲学的でもあります。彼の描いたラムにの夢の世界は(押井ワールドかもしれないけれど)震災の状況にも見て取れて考えさせられます。アニメファン以外も一度ご覧あれ。