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南チロル、Tonewoodsの森

今回南チロルに行った最大の目的、Bachmannの扱っている材木の森を見に行く、のレポート。
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Bachmannは今年冬に訪れた材木屋で僕もよく彼の材木を使っている。どちらかと言うとお友達に近い。それで夏になったらTonewoodsの森を見に行こうよ、ということで押し掛けたのである。トーンウッドとは楽器用材木のことである。前回マーラー作曲小屋を一緒に訪れた広瀬夫婦も一緒である。
Bachmannの住む南チロルAntholzの谷から車で30分くらい飛ばし北側斜面の谷沿い(ドロミーティ山塊の北端側に当たる)に入ってゆく。今回はいくつかある切り出しの候補地からその一つを案内してもらった。なんの変哲も無い観光ホテルの駐車場に車を停めて「じゃあこれから山に入るよ」と4人で出掛ける(Bachmannは左の大男)。
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山道を歩き続けるとここはシトカス・プルース(イタリア語名だとアベーテ・ロッソabete rossoという)の木がかなりの存在確立で生えている。モミとか他の針葉樹も目にするが一面アベーテ・ロッソ。「これって植林しているの?」と聞くと「いや、植林は一切していないだ。生えてきた木の間伐は行っているけどね」という。僕はてっきり植林をして丁寧に木を成長させているのかと思ったらそうではないらしい(そういう別のTonewoodsの森もあるのだ)。「だって小さい芽はもうあちこちに見えるだろ。ここは今年の冬に切ったところだけどもう芽が出てきている。」どうもアベーテ・ロッソは繁殖力は強いらしい。
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ということで山に生えている木は様々で僕が抱えられるような若い木もあれば、抱えきれないような大きな木もある(若いと言ってきっと僕よりはずっと年上なんだろうけど・・・)。ヴァイオリン用には丸太を中心から放射線状に切ってゆくので最低55cmの直径の丸太が必要だとのことである。ギター用はそれ以上に、チェロ用にはさらにそれより太い丸太が必要だ。
山道を進んでゆきBachmannが「おーい、こっちだ」と呼ぶ。参道を外れて道のない方を入ってゆくと一際目立つ気が立っている「これ、上を見てみろ」というとなんか表札がかかっている。どうも彼が予約済みの木らしい。
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高さ40mほどはあろうか。途中に節があったり先端の方は使えないだろうから全部の部分は使えないだろう。なるほど材木も質にこだわると値段が高くなるのが分る気がする。
木を切る時には山を管理しているお役所に届けを出しお金を払い切ってもいいよということになる。国有林もあれば個人の所有林もあるとのことである。しかし、斜面に生えている木などは生長によって木が倒れて周りの木に損害を与えないように間伐するらしいが、それでも木の生長に間伐作業は追いつかないらしい。材木は冬に入る前の木の生長が止まった頃に切られる。なので夏には木の伐採は行われていない(もっとも地元の人は観光業に従事しているのではないかと思うけど)。
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山にはたくさん木が生えているが上の写真のような大きくすっとした木はそんなに多くない。きっと200年くらいは軽く生長しているだろう。
このように山と木のレクチャーを受けて帰ることにした。それともう一つ山道で受けた別のレクチャー:左は毒キノコ。食べるとおウチに帰れないよ〜というしろもの(絵本に出てくる怪しいキノコのようだ)。右は天然のポルチーニ茸(しかもデカくてふとい、天然物は初めて見た)。おウチであぶって食べるとおいしいよ〜というしろもの。山歩きの副産物。
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by shinop_milano | 2010-08-13 00:00 | 楽器製作

「ミラノ的ヴァイオリン製作の部屋」改め。埼玉に活動の場を移したヴァイオリン屋の徒然日記


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